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神山幸也が日々思ったこと、感じたことを書いていきます。おもいのままに、感じたままに。「ありがとう」を心に灯しながら。


by kamiyama__kouya
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友だちの死から。

8月、友だちが死んだ。
海で起こったことだ。

それを、また別の友だちからのmailで知った。

さーっと血の気が引いた夜、
家までの帰り道。

高校の部活で、ぼくと彼は先輩と後輩という仲だった。
でも、大好きな音楽を通じて、卒業した後も連絡を取り合った。
遊びの延長で、スタジオに入ったこともあった。
そのとき、彼は歌を歌った。
ぼくは、エレキギターを弾いた(いまとなっては信じられないなぁ)。
バンドは部活のメンツ、顔なじみがそろった。
曲は、いっちょまえにオリジナル・ソング。
たった2曲だった。
なのに、その2曲は上手く思い出せない。
だから、ものすごく愛おしい。
思い出せるのはタイトルだけ。
「ひまわり」という曲だった。

ふたりで、お茶をしたこともあった。
「イベントをしようかと思って。そのときにお誘いさせて下さい。」
と、きらきらした目でコーラを飲みながらぼくに言った。

イベントは、実際に開催された。
忘れもしない、本厚木の「サンダースネーク」というライブハウスだった。
ぼくはピアノマン新沼氏と出演した。
彼が被っていた赤いミッキーのキャップが可愛いかったから、
「その帽子、すごいかわいいね」というと、嬉しそうに「先輩も買って下さいよ」と、
さわやかに言ってくれた。
ぼくは、紺色のミッキーキャップを買った。色違い。
ライブに来てくれたお客さんたちはすごく温かくて、拍手をたくさんくれた。
出たばかりの「帰り道」の音源もたくさん売れた。
彼はバンドで出演、仲間たちとファンキーなライブをしていた。

「また、絶対やりましょうね!」
と、彼は言ってお別れした。


それから、
mailでのやり取りが何度かあった。
ライブにも来てくれようとしてくれた。
「お仕事(プロジェクト)が忙しくて、毎日終電なんです」とメッセージをくれた。
でも、
残念ながら、会うことは叶わなかった。


そして、友だちからmailで悲報を聞き、
高校時代の仲間たちと告別式に向かうことになった。
たくさんの黒い服を着た人たちであふれていた。
きっとたくさんのひとに愛されていたんだと思った。
あまりにもたくさんの人たちがいたから
ちゃんと、お別れが出来なかったような気がする。


それから、何もなかったように時間が過ぎている。
ぼくのケータイ電話には、彼の連絡先がそのまま残っている。
「先輩、元気ですか?」と、
いきなり連絡が来ないだろうか。
連絡が来そうな気がしているのは、自分だけか。
ネットを検索して、彼が事故にあったニュースを見たのに。
それでも、彼のアドレスを消そうなんて思えない。

お別れは、いつも急にやってくるね。



彼の死から、もうすぐ2ヶ月。
ぼくは何か出来ただろうか。
彼は死にたかったわけじゃない。不慮の事故。

彼のためにも、生きている自分は何か頑張っていきたい。
具体的に何かはわからないけれど、
一生懸命に生きていたい。
一生懸命に生きていきたい。


いまも
ミッキーのキャップは、大事に飾ってある。




2009.10.05.
a.m.04:37

神山幸也
by kamiyama__kouya | 2009-10-05 04:37 | diary